実録:wtoryu.com → secondhalflab.com(Xserver・Site Kit・GA4・Search Console)
はじめに
本記事は、WordPress で運用してきたブログを Xserver へ移転 し、同時にドメインを wtoryu.com → secondhalflab.com に変更した際の、実際に行った作業とチェックポイントを 手順ベースでまとめた記録です。
同様の作業を行う際のロードマップとしてご活用ください。
全体像(ロードマップ)
- 事前準備(バックアップ・凍結・動作条件の確認)
- Xserver に新ドメイン secondhalflab.com を追加
- Xserver「WordPress簡単移行」でサイトをコピー
- 新ドメインでの表示確認 & 常時SSL化確認
- 旧ドメイン → 新ドメイン 301リダイレクト
- Search Console(GSC):プロパティ・サイトマップ・アドレス変更
- Google アナリティクス(GA4):ストリーム確認/測定ID確認/リアルタイム検証
- WordPress 内部URLの置換、サイトマップ再送、各所リンク更新
- 最終チェック(クロール・インデックス・エラー監視)
1. 事前準備(必須)
- バックアップ:旧サーバーのファイル一式+DBダンプ(プラグイン利用でも可)
- 更新凍結:移行中は新記事・画像の追加やテーマ更新を止める
- ログイン情報確認:旧WordPressの 管理者ID/パス(「簡単移行」に必要)
- 二重計測対策:GAタグの重複挿入を避ける(Site Kit 以外の計測系プラグインは無効に)
2. Xserver に新ドメインを追加(先にやるのがポイント)
ここが重要:Xserverの「WordPress簡単移行」を使うには、先に新ドメインをXserver側に追加しておく必要があります。
操作手順
- Xserverのサーバーパネルにログイン
- 「ドメイン設定」→ secondhalflab.com を追加
- 「SSL設定」→ 無料独自SSL(Let’s Encrypt)を有効化
- 反映に数分〜数十分かかることあり
- (任意)「WordPress簡単インストール」は使わず、今回は「簡単移行」を使うのでスキップ
3. Xserver「WordPress簡単移行」でコピー
操作手順
- サーバーパネル → 「WordPress簡単移行」
- 追加済みドメイン(secondhalflab.com)を選択
- 旧サイト(wtoryu.com)の WordPress管理者ID / パスワード を入力
- 実行 → 完了待ち(サイト規模により数分~)
- 完了後、https://secondhalflab.com/ を開いて表示確認
- 管理画面「設定 → 一般」の WordPress アドレス / サイトアドレス が新ドメインになっているか確認
- テーマやプラグイン、固定ページ、投稿、メディアのサムネイル崩れ等をチェック
メモ:ベーシック認証やWAFが旧環境にあると失敗しやすいので、一時的に解除するとスムーズ。
4. 新ドメインの表示確認 & 常時SSL
- トップページ・カテゴリ・記事ページが正しく 200 で応答するか確認
- すべてのURLが https:// で表示されているか(鍵マークの混在警告が出ないか)
- 画像URLやCSS/JSが旧ドメインを引きずっていないか
5. 旧ドメイン → 新ドメインの
301リダイレクト
目的:SEO評価と外部リンクの評価を新ドメインへ引き継ぐため、**恒久転送(301)**を設定。
旧ドメインのサーバー側(.htaccess が触れる場合)は、以下のように設定します(Apache想定)。
# 旧: wtoryu.com → 新: secondhalflab.com へ恒久転送
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^(www\.)?wtoryu\.com$ [NC]
RewriteRule ^(.*)$ https://secondhalflab.com/$1 [R=301,L]
# HTTP → HTTPS 強制(未設定なら)
RewriteCond %{HTTPS} !=on
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}/$1 [R=301,L]
- 配置場所:WordPress 用の # BEGIN WordPress ブロック より上 に置く
- 動作確認:http://wtoryu.com/任意のパス が https://secondhalflab.com/同じパス に 301 で転送されること
プラグイン派:旧ドメイン側のWordPressが生きているなら「Redirection」等でも可。ただしサーバー側301の方が堅牢。
6. Search Console(GSC)の対応
6-1. 新ドメインのプロパティ
- すでに secondhalflab.com のプロパティ追加・所有権確認 済みならOK
- 未実施の場合:ドメイン プロパティ推奨(DNS TXTで一括管理)
6-2. サイトマップ送信(new)
- GSC で secondhalflab.com プロパティを選択
- 左メニュー「サイトマップ」 → 送信欄に sitemap.xml と入力
- 例)https://secondhalflab.com/sitemap.xml
- Yoast / All in One SEO 等のプラグイン利用時は、そのプラグインのサイトマップURLを使用
- ステータス「成功しました」になればOK
6-3. アドレス変更(旧 → 新の申請)
- GSC で 旧ドメイン(wtoryu.com) プロパティを選択
- 「設定」→ 「アドレス変更」
- 新ドメイン secondhalflab.com を指定
- 301 リダイレクトや所有権確認のチェックが通れば 送信 で完了
ポイント:サイトマップ送信・301・アドレス変更をそろえると、切替がスムーズ。
7. Google アナリティクス(GA4)の対応(Site Kit 利用)
今回は Site Kit by Google を使用。計測コードは Site Kit が自動挿入。
7-1. 運用方針
- 旧ドメインの延長=同じサイトとして運用するため、旧GA4プロパティを継続が基本方針
- データストリームが 旧・新で2つ存在する場合は、どちらを使うかを一本化すると管理が楽
7-2. GA4 データストリームのURL確認/修正
- GA 管理画面 → 左下「管理」 → プロパティ「データストリーム」
- 対象の Web データストリーム を開く
- 上部「ウェブサイトのURL」が旧ドメインなら secondhalflab.com に修正
- 測定ID(G-XXXXXX)はそのまま
- 新旧両ストリームがあるなら、使わない方は無効化/整理も検討
7-3. Site Kit の測定IDを確認
- WordPress 管理画面 → Site Kit → 設定 → 接続済みサービス(Analytics)
- 表示されている 測定ID(G-XXXXXX) が、上で確認した 使うストリームのID と一致しているか確認
7-4. 計測テスト(リアルタイム)
- 新ドメインのサイトを自分で閲覧
- GA4 左メニュー「レポート → リアルタイム」にアクセス
- 自分のアクセスが反映されていればOK
7-5. GSCとの連携(任意だが便利)
- GA4「管理 → プロパティ → Search Console のリンク」から連携しておくと集客分析が楽
8. WordPress 内部の後処理
8-1. 内部URLの置換(旧→新)
- 記事本文・カスタムフィールド・メニュー等に 絶対URL(wtoryu.com) が残っていれば置換
- Better Search Replace 等のプラグイン推奨(シリアライズ対応)
- 例)検索:https://wtoryu.com → 置換:https://secondhalflab.com
- まずは ドライラン(テスト実行) で対象件数を確認
CLIが使える環境なら:
wp search-replace ‘https://wtoryu.com’ ‘https://secondhalflab.com’ –all-tables –precise –dry-run
8-2. サイトマップ再生成 & robots.txt
- SEOプラグインでサイトマップを再生成(自動のことが多い)
- robots.txt が適切か確認(Disallow が残っていないか)
8-3. 外部サービスのURL更新
- SNSプロフィール、名刺サイト、各種リンク集、広告タグ、OG画像生成ツール等
9. 最終チェック&移行後の監視
- HTTP ステータス:旧URLが 301、新URLが 200 を返す
- GSCのカバレッジ:エラー/警告の推移、404 の発生箇所(必要なら個別リダイレクト)
- 検索パフォーマンス:クエリ・表示回数・クリックの推移(移行直後は変動あり)
- 被リンク(GSC「リンク」):徐々に新ドメインへ切替を確認
補足:よくあるハマりどころ
- SSL未反映のまま動作確認 → 画像の混在コンテンツ警告
- リダイレクトの無限ループ(.htaccess の記述順・既存ルールとの競合)
- 二重計測(テーマ直貼り+Site Kit の多重)
- 内部URLの置換漏れ(画像・カスタム投稿・ウィジェット)
- GSCのプロパティ種別:URL プレフィックスで分割管理してしまう(ドメイン プロパティ推奨)
まとめ
- 先に Xserver に新ドメインを追加 → 「WordPress簡単移行」 が時短の要
- 301リダイレクト・サイトマップ送信・アドレス変更 の3点を確実に
- GA4 は旧プロパティ継続が原則。ストリームと Site Kit の 測定IDの整合を取り、リアルタイムで検証
- 仕上げに 内部URL置換 と 各所リンク更新、GSC・GA4 の監視で安定運用へ
本記事の作業で得た教訓:「順序」と「一貫性」。
ドメイン追加 → 簡単移行 → 301 → GSC → GA4 → 内部修正 → 監視、のリズムを崩さなければ迷いません。